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「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)
「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)

あれから、どう変わった?

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)

あれから、どう変わった?

これまでTOKYO VOICEに出演してくれた人たちに聞く、今この瞬間の生き方のはなし。前回出演時のバックナンバーとともに届けます。

紙版TOKYO VOICEに出演してくれた人たちへのオンラインインタビュー企画「あれからどう変わった?」。あの人は今何を考え、これからの新しい日常をどう生きようとしているのだろう。今回は、2018年のTOKYO VOICE vol.3に登場した、アーティスト・スタイリスト・クリエイティブディレクター清水文太の今。以前は主にファッションスタイリストとして活躍していたが、現在は音楽でも才能を発揮。その活動の幅は広がり続けている。

2年前のインタビューで、鮮やかなピンク色の髪をした彼は、まだ少年のようなイノセントさを纏っていた。「その頃はとにかく仕事が忙しくて、正直何を話したかあまり覚えていない」と笑う今の姿は、全く別人のように見える。その理由を教えてくれた。

前回のインタビューはTOKYO VOICE vol.3に掲載
TOKYO VOICE VOL.3

インタビュー
清水文太/東京都出身
(スタイリスト・バイヤー/20歳→アーティスト・スタイリスト・クリエイティブディレクター/22歳)
※この記事は2020年6月3日にインタビューしました。

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)
2018年11月10日 西新宿にて撮影

以前のインタビューから生活や仕事にどんな変化があった?

あの頃は本当に、自分がやらなきゃいけないこととか仕事に追われてて、楽しかったけどすごい外側に興味がいってた。実際、邪魔や嫌がらせも受けていたんだけど、今となってはその邪魔も僕にとっては必要だったなって。と考えると、全く邪魔でもなんでもなかった。身体に今までの人生の膿が溜まっていたのかも。その“膿”が取れるきっかけも、この期間に あったのだけれど、僕がこれから変化して、実際に見せていきたいところだから、何があったかは言いません(笑)! とある紙媒体には書いたけど、そんなにはっきりとも書いてない。その出来事に関して。だって、本当に大事なこととか、言葉は心に留めておきたいから。いつか、心がもっと透き通ったら話そうかな。それまでお預け。だから、そんな邪魔や嫌がらせも、今になっては怒りを感じてるわけじゃない。

今は自分の中で自分とどう一緒に過ごすかっていうことの方にフォーカスしてるから、むしろ周りに対してもっと優しくなれたかもしれないですね。周りの人が笑ってたほうがいいじゃない、なんかそういうことを今まで考えないで生きてきたし、相手のことを考えて生きてるっていう自覚が正直言ってあんまりなかった。自分の心を、マグマの噴火のように外側へ出していることが多くて、でもこの自分の中にもっともっと大切なものがいっぱい詰まってるんだって気づいて。それは自分の子供の頃のルーツかもしれないし、服とか本とか、音とか、食べることとか、当たり前に転がっているもの、好きなものかもしれない。それを大切にすることが必要なんだなって思ったから、そうしたら気持ちがすごい楽になったし、しゃべり方も変わったし、なぜか歌もすごい上手くなったの。

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)
2018年11月10日 西新宿にて撮影

僕は結構コロナの期間にいろんなことが起こったけど、外側に向けた怒りみたいなものが消え去った感じがしましたね。これまでの膿みたいなものが全部出たっていうか。そうすると体がすごい軽くなったし曲の作り方もスタイリングも180度変わったし、人とのコミュニケーションの取り方も変わったなって。

すごく雰囲気が変わったように見えますが……。

ははは、それすごい言われるの。しゃべりやすくなったとか。前はどこ行っても触ったら死んじゃうぞみたいな腫れ物みたいな扱われ方だったけど、パワーと安定感がついたから俺今最強。昨日は僕が写る広告の撮影の仕事があって、共演した子に「目から小宇宙が出てる」って言われたんですよ。僕の瞳の力が強かったみたいで。結局、目をそらした写真が採用されていたけど。でも、ちゃんと儚さも残ってますよ。自分で言うのもなんですが(笑)。だっていっぱいいろんなことがあったから。大変なこともいっぱいあったから、とてもタフになっていると思う。でも、そのぶん人にも厳しくしてしまっていた。自分と相手の境界線が見えなくなってた気がする。自分が生きてる世界だから、周りも一心同体だって。でも、違かった。もっと人間は孤独。でも、一人じゃないっていうことにも気付けた。だから僕、今は人にも怒らなくなったし、そうそうくらわなくなったし、なんかお坊さんみたいになってきちゃった。

あと、自炊始めたんですよ。そしたらすごい健康生活になっちゃって。朝お風呂入って、ツボマッサージして、ストレッチして筋トレして、3分瞑想して、そっから朝ごはん作って、みたいな習慣ができて、なんかそういう習慣ができると生活が律する感じするし、人と話すのがもっと楽しくなったかな。人と話すのも、もうその人と話すのは最後かもしれないって思いながらしゃべるかも。コロナがあって、そういう気持ちがもっともっと強くなったかな。わかんないじゃない、人っていつ心臓止まるか。だから今を噛み締めないとって思う。この空気と、この気候と、このパスタと、このお茶とこの画面と、鳥の声とか。ね、その場でしか作られないものだからちゃんと目に焼き付けておかないとなって。人生ってそんなに悪くないですよ。美しい世界です。こんなところに生まれて幸せだなって。

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)
2018年11月10日 西新宿にて撮影

最近はどんなふうに過ごしている?

僕、去年から音楽を作るようになって、それがとても楽しい。もともと音楽はやりたかったんだけどタイミングを見計らっていたんですよ。僕はスタイリストで名前がばーんってでたから、やっぱりそのイメージが先行してちゃんと音楽を聴いてもらえないことがあって。「どうせファッションの人間が作った音楽でしょ」って無視されたりもするし、日本は特に職業とかイメージみたいなもので勝手に役割を決め付けられるけど、そういうことを僕が変えなきゃいけないって思ってる。それだけが僕じゃないから。肩書きは、社会や人間が決めたことだから。

いつか、以前の暮らしに戻ったらやりたいことは?

ライブハウスが復活したらいいかな、客は減るかもしれないけど。ファッション業界も例外じゃなくて、服を買う数が減るかもしれないし、現に減ってる。スタイリングもディレクションも濃厚接触することが多くて今は遠隔でやることも多いけど、やっぱり生がいい。でも、この時代の中でどうやってうまく今あるツールやコンテンツを使って服を楽しくしようとか考えてる。もちろん新しい方法も模索しながら。

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)
2020年6月3日にオンラインでインタビュー。

なにより自分が楽しんで、そしてそれによってみんなにその表現が伝わったら一番幸せ。音楽、服、文章、そのほか僕ができること、していきたいことを、ジャンルを決めずにやりたい。曲を作るのも服にハンガーをかけるのも、モデルに着せるのも、文章を書くのも、みんなで話すのも、遊ぶのも、ご飯を食べることも、僕にとってはなんら変わりないこと。全部楽しいもの。全部やったら僕は僕が優勝だと思ってる。その自分の“全部”で 何しようってことを考えてる。

人生やることいっぱい。だから今まで通り過ごすんじゃないですかね、あんまり変わらないかも。だって退屈な毎日なんて基本的にないと思ってるから。僕はしんどいことを楽しいって思ってるんだけど、苦しいとかいっぱいあるじゃない、生きてたら。でもわかんない、それって退屈じゃないから感じられてるんだと思うの。だからそれを噛み締めて、今は今やれることをただただやるだけかなって思います。これは一つのターニングポイントでしかなくて、ここから本当の意味で変われるかどうかは自分次第だから。

れからどんなことが変わっていくと思う?

今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない。世の中で本当に起こっていることだって見えないし。目に見えるものは一部だし、本当に一番向き合わなきゃいけないのは自分のはずなのね。今コロナが起こって、そうやってみんな自分自身に問いかけ始めたことで大混乱してるっていうのもあるし、恐れているんじゃないかな。これからは見えないものに対しての恐れっていうのをちょっとずつ消化していって、そしたらちょっとずつ動き始めるから。それが人類の進化っていうことじゃないかなって。パンデミックの後には暴動とか戦争とか起こるっていうのが法則で。でも、そういうことが終わった後に人は絶対に進化するの。人間って間違えたら進化するものだから。

「今、僕たちにとって見えないものが一番重要だから。コロナも見えないし、人の気持ちだって見えない」  清水文太(アーティスト・スタイリスト・アートディレクター・22歳)
2020年6月3日にオンラインでインタビュー。

僕はコロナが起こってとても良かったと思ってる。不謹慎かもしれないけど。いい意味で、コロナがきっかけで世の中が更地になったと思っているのね。だから僕にとってはとってもやりやすい。なぜかっていうと、上にいるあぐらをかいた一部のおじさんたちは全員消えると思ってるし、仕事ができるかできないか、という実力主義が加速すると思うから。もっと若い実力ある人達がばーんって上にいける方がいいバランスになると思うの。だからこれからもっともっともっともっと良い意味で変化していく。

表面的なことだけじゃもうダメで、もっともっと自分で体験して自分の目で見なきゃいけないこととかあるし、そういうきっかけを作るような仕事を自分がやれたら、それが自分にとって一番幸せかなって。最近はそういう感じ。そのために今は楽しく長く生きるために健康生活を送るのが一番です。

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