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「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)
「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE

“大人になる”ことの一つに、個性を失っていく、というのがあると思う。

数十年かけてなんとなく読み取って来た暗黙のルールを守って、“◯◯会社の△△さん”とか“××くんのパパ”とかそういった肩書きを背負って、社会に溶け込んで。もちろん一人一人にドラマがあるし、該当しない人もいるけれど、それでもどうしても思ってしまう。彼ら彼女らの自由な魂は、いつその枠を飛び出せているのだろうと。

そんな中で、彼女はいい意味で浮世離れしているように思う。特徴的な前髪も、カラフルなキッズファッションも、のほほんとした空気感の割にどこか達観した物言いも、全ての要素が彼女を彼女せしめている。

三戸なつめには、枠がない。



その日はあいにくの天候で、霧雨があたりを湿らせていた。「おはようございます」とささやかな笑みを浮かべる彼女からは、テレビや雑誌で見かけるよりずっと落ち着いた印象を受ける。

「よく言われます、会うとイメージ違うねって。ふわふわとかキャピキャピしてそうって言われるけど、実は人見知りなんです」

笑うと揺れる短い前髪は、しかし、私たちの見慣れたそれだ。

三戸なつめ、30歳。専門学生時代、地元・関西での雑誌のスナップをきっかけに雑誌『mer』にて読者モデルデビュー。2015年にはアーティストとして『前髪きりすぎた』をリリースし一躍名を馳せ、現在は女優としても活躍している。

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)
「大丈夫ですよ、よっと」。悪天候で足元の悪い中、快く川縁の岩に登ってくれた。

幅広い分野で個性を発揮する三戸さん。そのルーツに、まずは話を向けてみた。

「根っこにあるのは、やっぱりファッションですね。小さい頃、ジュディマリのYUKIちゃんとか篠原ともえさんに憧れていて、彼女たちが着てるようなビビッドカラーでハッピーになれる服が大好きでした。関西で通っていた服飾の専門学校でもキッズ服の作り方を学んでいて。キッズ服って、デザインの自由度が高いんです。大人用の服だとなかなかできないけど、キッズであれば耳とかつけてもかわいいですよね。作る服も着る服も、カラフルで派手派手が好きでした。ファッションって一目でその人のキャラクターが分かるから、明るい子って印象が強かったのかもしれないですね」

読者モデル時代の三戸さんといえば、ビビッドカラーや柄オン柄など、抜群に個性的なファッションが人気を集めていた。ところが本人は、自身が個性的であることに全く無自覚だったという。

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)
「お母さんに切ってもらった前髪、すかれすぎた気がしててハゲに見えてないか心配です」

「人から言われて、あ、そうなんだって。前髪も、別に切りすぎたと思ってなかったんです。中田ヤスタカさんから『前髪きりすぎた』って歌詞をもらって、“切りすぎてないんだけどな”って心の中では思ってました。人と違うのが好きではあったけど、好きだからしてただけです」

好きに導かれるままパーソナリティーが確立され、あれよあれよと世間に認知されていった三戸さん。ところがそんな彼女も、多くの人に目を向けられる中で、自分を見失った時期があったという。

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)
「辛いことも悲しいこともあるけど、それって長くは続かないんです」

「この世界に入るまでは本当に直感に従って生きていて、客観的に“自分ってどんなもんぞや?”なんて考えたことがなかったんです。でもこの世界はいろんな人に評価されるし、“自己プロデュースしなさい”って周りにたくさん言われて、そういうのを考えだすと訳わかんなくなっちゃった。好きなように生きてきただけなのに、計算が入った途端自分を見失っちゃったんです。特に歌手活動してた頃は、音楽の世界に詳しくなかったこともあって、周りに言われるがままだったと思います。分からないことがあっても気を遣って聞けなかったり、思ったことも言えなくて、自分一人でネガティブな方に塞ぎ込んじゃっていました。でも、好きな音楽を聴いたりして自分がどんな人か思い出して、怖かったけど少しずつ思うことを伝えて。そうやって段々大丈夫になっていったと思います。

難しいですよね、仕事って。全部理由付けしなきゃいけないから。昔は、好きに理由を付けることも嫌いでした。理由を付けると薄っぺらくなるっていうか、好きが減っちゃう気がして。でも、今はちゃんと理由も説明できます。自分1人で好きなだけならいいですけど、ファンの子達は私を選んでくれたわけですから」

三戸なつめにとって大人であることは、“理由をつける”ことなのかもしれない。

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)
私服のヴィンテージのワンピース。腰にはお気に入りのブローチを。

少しずつ感覚が大人になってきたと話す彼女は、実年齢も比例して重ねてゆく。先日、三戸なつめは30歳を迎えた。

「びっくりですよね。もういい大人ですけど、30歳は超大人って感じ。スーパー大人。周りは結婚して子どもを産んで、インスタグラムの赤ちゃん率がすごいんです。私ですか? 結婚願望、全くありません。ずっと子どもでいたいです。この歳になると保険とか税金とか高齢出産も視野に入れなくちゃいけないけど、楽しいことだけ考えていたいです。ピーターパンなんだとおもいます、多分(笑)」

では、ネバーランドを夢見る三戸さんは、実際に30歳を迎えた自分をどう思っているのだろう。

「ゆるーく、気張らずに、自分は自分だからさ」大人と子供を自由に行き来する彼女の、浮遊的VOICE(女優・モデル/30歳)
「何かに迷った時は、その時の自分の心がときめく方にいくようにしています」

「一番好きです、今の自分。年を取ることはいい意味で諦めてるし、20代でたくさん悩んで乗り越えた今は、圧倒的に生きやすいです。子どもでいたい気持ちと、今が楽しいって気持ちと、これから歳を重ねるのも悪くないって気持ち、全部あります。人生にはいっぱい幸せが詰まっているので。一般的には、結婚して子供がいてってのが幸せだとされてますよね。でも、自分がその時の自分を好きでいられて、心から笑えていたら、それで私はハッピーだと思うんです」

最後に、では、どんな大人にならなりたいか聞いてみた。

「大人と子供を両立できている人。楽しむときはとことん楽しんで、やるときはやって、女性らしくなりたかったら女性らしく振舞って。ゆるーく、威張らずに、自分は自分だからさ、あははははって。そういう風に生きて生きたいですね」




小さくて大切な宝箱をそっと開けるように、心の声を聞かせてくれた三戸さん。後日、メールのやり取りをする中で、読者のみなさんへ向けて今伝えたいメッセージを送ってくれた。


「大変な時期ではありますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は、ほぼ毎日自炊をしてます。お菓子ばっかり食べて生活していた私には、毎日自炊するなんて考えられませんでした。でも今ものすごくハマってます。ヘタクソだし、失敗もするけれど、料理が大好きになりました!
食わず嫌いだと思っていた事をやってみると、意外と好きになったりするので、皆さんも今の時期に是非色んな事をチャレンジしてみてほしいです!
中にはお仕事や学校が始まった皆さんもいるかと思います。
どうか身体に気をつけて、皆さんが笑顔でいてくれることを祈ってます」

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