TOKYO VOICE

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なんで一つに決めなきゃいけないの?
もしかしたらもっと
一番好きになれるものがあるかもしれない

服は好きなものだから
それ以外の何もんでもない

昨日飲み過ぎちゃって、お父さんと。新しい家族と住んでるんです。新しいお父さんとお母さんとその子どもたち。下宿みたいな感じでほんとに普通に暮らしてる。でも、それまでは普通の生活ではなかったかも。前の家族とは全然仲良くなくて、家追い出されてご飯食べるのにも困ってた時期があったんです。4年前から今の家に住み始めてやっと安定してきた。好きなことやろうとか、ああ、こういう格好したいなとか、こういう生き方をしたいな、みたいな考えが育ってきたのはそれがきっかけかも。ファッションは中学生の時から好きだったけど、まずは生きることに必死でした。一時おじいち ゃんと住んでた時は「お風呂入るな」って言われてて。学校でも「臭いから近づくな」って、同級生にも先生にも言われて。いじめは学校でも家でもあったから、どっちにも行けないみたいな。児童養護施設に連絡もしたけど、「15歳なんだから働ける。私たちにできることはない」 って。その時は、あ~マジこいつら最悪だわとか思ってほんとムカついたんですよ。精神的に参って鬱状態になってからは、死について考えたけど、あの時死んでたら俺生きてないし、こんなことやれてないし、罪だったかもしれない。だって俺のこと見て生きる勇気もらったっていう人たちのきっかけに今、なれたから。高校は今年卒業。夜間だから4年制です。一応高卒の資格は取りたくて。大学行きたいってなったときに厳しくなるから。

何になりたかったんだろ。意外と今も分かんないかも。別にそれでいいと思ってるし、なんで一つに決めなきゃいけないの?って。もしかしたらもっと、一番好きになれるものがあるかもしれない。今のところは好きなことやれるし、それが仕事にもなっているからやってるって感じ。それが変わるかもしんないし、服じゃなくなるかもしんないし......。きっと服はずっと好きなんですけど、人って、やりたいことってたぶん細かく変化するものだから。やりたいことが全部リンクして結果的に自分が幸せに生きる方向に向かっていけばいいのかなって思ってる。スタイリストっていう実感はなくて、やっぱり衣装屋さんって感じかな。専門技術とかプロの・・・(続きは本誌で)

The Voice / Shimizu Bunta
Photographer / SHÏRAYUKÏ
Text / Hata Renna
Edit / Yamawaka Masaya