TOKYO VOICE

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女好きの義肢装具士のほうが
きっとキレイな義足を作ると思う

私、足がこうなので、よく「悲劇を乗り越えて」みたいに表現されるんですよ。あと「ターニングポイント」っていう言葉も多い。障がい者がメディアに載るうえで使われやすいんでしょうね。大変であってほしい、というか。骨肉腫って、ドラマや映画のネタで取り上げられたりするから、そういうドラマ的要素多めで発信されるのはしょうがないです。まあでも普通に生きてて、特にこの出来事で「超えたな」とか思うこと、あんまりないと思うんですけどね。割と、大げさだなと思うこと、言われることが多いんです。あと「堂々としていてすごい」というのも、外に出て自分を表現しようとする人間にとっては当たり前じゃないかと思うし。明らかに人と身体的な特徴が違う訳なので、世間と認識の違いはあって当然なんですけどね。傷つくとか、プレッシャーを感じるとか、そういうのはまずないです。よく言われるのは、 “淡々としてる”とか“クール”とか。あとは“ふてぶてしい”ともよく言われますが、生まれつきです。

最初なりたかったのは、作り手の方なんですよ。スタイリストとか絵を描く人とか。手段はどうでもよくて、表現がしたかった。でも、頑張るのがイヤだったんです。私、もともと怠惰な人間なんで、何年もアシスタントして地道に修業するとか、自信がまったく持てなかったんです。それなら憧れる人たちに、私を使って作品を作ってもらえたらいいな、と。義足を「個性」とは思ってませんけど、ライバルが少なくて、手っ取り早くその世界の第一人者になれるのがそれくらいしか思いつかなかった、というのが正直なところですね。デビューの努力と呼べるほどのことはしていないです。アンダーグラウンド専門のキャスティング事務所に「何かあれば連絡ください」と写真を送ったくらい。 “ガツガツした人”に見られたくなかったのかな。それから 1週間後にレスリ ー・キーから「SUPER TOKYO」っていう写真集のオファーが来て。初めての撮影がオールヌードでした。脱ぐことに、あんまり抵抗はなかったですね。・・・(続きは本誌で)

The Voice / GIMICO
Photographer / Taguchi Maki
Text / Kiuchi Aki
Edit / Yamawaka Masaya